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地球 豊かさの限界 第2集 「大地はどこまで人を養えるか」

　「伝統が無いアメリカ式農業。　新技術に頼り省力高収量化に成功したと思ったら、その農法は土地を数十年で荒廃させてしまった。」

　これを見ると、伝統の重要性と、それを軽々しく捨て去り一代の浅知恵に走ることの愚かさがよく分かる。　何をしたら数十年後に破綻するか。　何をしたら、数十年後もうまくいくか。　そういう、人が一生かけてやっと気付くような貴重な知識が、伝統には多々隠されている。　だからこそ、伝統は重要であり、「意味が分からなくてもとりあえず従うべきもの」なのだ。　にもかかわらず、傲慢な現代人は、自分のその時の知識で理解できないというだけの理由で伝統をあっさり捨てて、新しいことに飛びついてしまう。　そして、数十年後にそのしっぺ返しをくらうわけだ。　残念ながらそれは日本も例外ではない。

　もちろん、科学を否定するつもりはない。　推測し、試し、検証するのが科学であるなら、その結果を積み重ねて後世に引き継いでいくのが伝統だ。　科学がなければ伝統は発生し得ない。　ただ、言いたいのは、伝統をもっと重要視しろということだ。　何かを研究し変えようとするなら、今まではどうだったのかを知り、なぜそうなのかも考え続けなければいけない。　そこには大抵、必然がある。